この小説では、死に対してただ淡々と描かれている。
死に行く登場人物も、生への執着も死への憧れもなく、ただ毎日を暮らしている(ように私は感じた)。



小さい頃、私は夜な夜な【死】について考えた。
「死んだらどうなるんだろう?」
「死の世界には、今の人生のように終わりがあるのだろうか?」
「もし死の世界に終わりがないのだったら、つまらないんじゃないか?」
etc・・・

そして、いつしか【死】が怖いものへと変化していった。
「死んだら、今の楽しい生活は戻ってこないのではないか」
「大好きなあの人を残して死ぬわけには行かない」
etc・・・

そして、ヨガを行い、前世療法で今までの自らの前世を見続けた結果、【死】はありふれたものとなった。
過去や未来に執着し、やり残したことがあったり、納得できる人生を生きていなければ、きっと【死】は怖いものなのだろう。
【死】への恐怖は【生きる】ことへの執着でもあると思う。
すなわち、未来でも過去でもなく、【今この瞬間】を精一杯楽しく生きていれば、【生きること】への執着=【死】への恐怖は自然となくなるものだと思う。

実際自分が死ぬ時、もしくは死期を悟った時、今と同じこと事を言えるかどうかはわかなないけれど、少なくともそれまでは一瞬一瞬を精一杯生きて、「ああ、良い人生だった」と思いながら爽やかに死に行きたいと思う。